株式会社 日本マーケティング・システムズ(NIMS)は、2020年の6月をもちまして、50周年を迎えました。クライアントの皆様や、取引先の皆様からのお力添えによるものと、心より感謝申し上げます。
そんな節目の年に発生した新型コロナウィルスの感染拡大は世界規模となり、いまだ終息しておりません。感染された皆さんやご家族に、心よりお見舞い申し上げます。また、医療従事者をはじめとする、すべてのエッセンシャル・ワーカーの方々の勇気とご尽力に、感謝と敬意の気持ちを伝えたいと思います。
さて、鳥居直隆が表参道にNIMSを設立した1970年は、日本では大阪で万国博覧会が開催された年として記憶されています。戦後のダイナミックな復興を成し遂げ、高度経済成長の終盤に近づきながらも、日本はいまだ活気がありました。この年の経済白書では、「日本の経済力は格段に大きくなり、その国際的水準も著しく向上した」と評価する一方で、日本経済が“転換点”であることを示唆しました。
多くの国民が経済的に豊かになり、衣食が足りて“欲求”が次の段階に向かった時代。購買行動を楽しむようになった生活者は、消費する商品やサービスを比較し、自分にとって“より良い物”を選択するようになります。選択肢の多様性、機能性の向上や洗練、デザイン性や付加価値などの概念が購買行動に影響します。
生産し供給することがすべてだった戦後の物不足の時代を経て、企業にとってはマス・マーケティングの技術が必要な状況となりました。弊社が生まれたのは、そんな時代です。
その後、コンピュータ・テクノロジーが情報環境に劇的な変化をもたらし、世界経済にたび重なる“うねり”があったことは歴史が示しているとおりです。
時代が変わっても、クライアントと共に生活者の課題を解決するという本質に、変わりはありません。クライアントと問題意識を共有し、様々なリサーチ手法をツールとして、マーケティング課題の解決をサポートする。そのために、消費者の言葉や行動の“意味”を推し量り、アウトプットする技術を磨いてきました。
生活者の“意識”を言語に例えれば、クライアントにとっての“翻訳者”のような存在になること。それが、これからも、わたしたちNIMSの役割だと考えています。
【お知らせ】
㈱日本マーケティング・システムズの創業者であり、弊社相談役の鳥居直隆は、かねてより自宅療養中でしたが、10月4日に88歳で永眠いたしました。
生前は、鳥居が並々ならぬご厚意を賜ったことを、本人に代わりまして心より感謝し、お知らせ申し上げます。
謹 白
令和2年10月
株式会社日本マーケティング・システムズ
代表取締役 川久保 昇